「お前とまたこうして戦うことになるとは思わなかったな」
すらりとのびた手に双剣を構え、キカがぽつりと呟いた。
「僕もです」
答えたカインは、キカの後ろで一体のモンスターを切り伏せる。
キカが布いた風の陣の上に立ち、互いの背を相手に預ける。
そうしてモンスターに囲まれていると否応無く数年前の戦いを思い出した。
まだその中にいるような錯覚にさえ陥りもする。
この人になら、こいつになら、背を預けられるという信頼感。
それは時間が経った今でも、なお。
「……しかし、多いな」
「そうですね」
風の陣の上では体が軽くいつもよりも動きやすい。
けれど数が多すぎて、倒しても倒してもきりがなかった。
「罰の紋章で少し減らしましょうか」
カインが言って、左手を上げる。
しかしそれをキカが制した。
「お前にだけ働かせるわけにはいかないさ」
そう言って、カインには見慣れた剣の構え方をする。
「この数年でできなくなったなんて言わないな?」
「まさか」
同じように双剣を構えて、カインは前のモンスターに視線を定めた。
二対の剣が放つのは、嵐に似た風の刃。
地面の草すら刈り取って、前の敵を切り刻んでいく。
その二人の技を、「双剣攻撃」と人は呼ぶ。
talk
絵でいう落書きみたいなモノですが、協力攻撃を習得するとき、もっと喋って欲しかったんや…!!脳内保管です。
2005.10.13